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今、話題の「エモい」っていったい何?

「エモい」の意味の画像

 
若者の間で流行の言葉「エモい」。
三省堂の「今年の新語2016」では2位を獲得するほど流行のこの言葉。
最近では、アニメ「キラっとプリ☆チャン」でもよく使われていますね💘
2018年現在ではかなりメジャーになっており、日常会話でも、一度や二度ではなく聞いたことがあるのではないでしょうか?
そんな「エモい」ですが、その意味や歴史についてはいまだに朧げな方も多いはず。
なんとなく「エモい」という単語を使っていることも多いと思います。
 
そんな「エモい」とはどんな意味なのでしょうか。
どんな時に用いられ、どのような歴史があるのでしょうか。
今回はそんな、意外と知られていない「エモい」の意味や使われ方について調べてみました。

「エモい」ってどんな意味?

「エモい」ってどんな意味?の画像

「エモい」の語源は「emotional」

「エモい」の由来は、英語「emotional(エモーショナル)」です。
「emotion」の略語「エモ」に、形容詞化する接尾語「い」を付けたものです。
その由来の通り、「感情が動かされた」「情緒的である」「感情に強く訴えかける」といった意味で使われています。
 
感情が強く動かされた時などに、「エモい…」と使われることが多いそうです。
InstagramやTwitterで多く用いられる若者言葉であり、三省堂の「今年の新語 2016」では2位にランクインしたほどのメジャーな言葉です!✨

エモいってどんな時に使われるの?

「エモい」の使い方は人それぞれ!

それでは、「エモい」という単語は実際どのようなに使われているのでしょうか。
それを知るため、ツイッターで「エモい」と検索をかけてみることに。
すると、どうでしょう。
エモいという言葉は、本当にあらゆる意味で使われていました!💖
 
例)
「このアニメのこのシーンがエモかった」
「昨日見たライブ、エモかった…」
「今日の夕焼け、エモい!」
「この理論はなかなかエモい」
「エモい…(ラーメンの画像)」
 
本や漫画の感想にとどまらず、「エモい」という単語はカメラのレンズや廃墟の写真、さらにはラーメンの画像にまで(!)、ほんとうに様々な局面で用いられていました。
それもそのはず、「エモい」自体に厳密な意味や定義はないのです。

エモいと感じたらそれがエモい

「エモいという単語には厳密な定義があり、その定義に当てはまるからエモい」というわけではありません。
「エモい」は個々人の主観によるものだからです。
「『エモい』とはこうである」ではなく、「自分の内側から自発的に『エモい』という感情が出てきたときに用いられるのが”エモい”である」と言ったほうが正しいのかもしれません。
 
「エモい」に厳密な定義はなく、「なんとも表現しがたいが心を動かされたとき」にエモい、という言葉が使われます。
感情が高まって強く訴えかける心の動きを感じたら、それこそが「エモい」という言葉の使い時なのです。

結論:言葉にならないくらい心動かされる=エモい

 
 
結論を言うと、「エモい」という言葉は、このように「自分の主観が大きく動かされるようななんとも形容しがたい感情を抱いた」ときに自らの内から湧き出てくる言葉です。
そのため、「エモい」の意味は一言で表せず、人それぞれの「エモい」があります。
夕焼けをエモいと思う人もいれば、音楽をエモいと思う人もいる。
心が動かされたら、それはもう「エモい」なのです
 
このように、あらゆるものが「エモい」の範疇に入るのですが、特に「エモい」と言われやすい系統は存在するそうです。
それは「なつかしさ・切なさのニュアンスが強いもの」、「心に沁みるもの」。
こういった、言葉にできないけれど、こみ上げてくる何かの気持ちを誘発するようなものは、一般的に「エモい」と評されることが多いような気がします(ノスタルジックな下北沢の町などは、よくエモいと言われていますね)。
「をかし」より「あはれ」といった感情を引き起こすもののほうが、一般的に「エモい」と言われがちだというイメージがあります。
 

「エモい」から連想されるキーワード

ノスタルジック
下北沢
せつない
センチメンタル
懐かしい
星空、夕焼け…etc

エモいの歴史

音楽シーンで生まれた言葉

「エモい」という言葉は、1980年代の音楽シーンで生まれました。
語源は、パンクロックの一種である「エモーショナル・ハードコア」。
これは、パンクロックの中でもメロディックな音楽にセンチメンタルな歌詞を載せたものです。
この音楽ジャンルから派生し、感傷的な歌が「エモい」と称されるようになっていきました。

サブカルチャー界隈で使われ始め、やがて日常言葉に

エモいとは、エモいの使われ方

2000年代になって、音楽のみならずサブカルチャー(アニメや漫画など)の感想として、「エモい」という言葉が用いられるようになっていきました。そして、2016年ごろには、エモいという言葉は日常会話でも広く用いられるようになります。SNSなどを中心に拡散していき、様々な人に知られ、使われるようになっていったのです。
今では、カルチャーだけにとどまらず、日常の様々なシーンでエモいという言葉が用いられています。

「エモい」は若者の感性を奪うのか

「エモい」の功罪

そんな「エモい」という単語ですが、しばしば「感性を腐敗させる」といった文脈で批判されることもあります。確かに、感情を表す言葉が「エモい」の一言で表現しきれてしまうのでは、感性を奪い停滞させてしまいかねません。
しかし、「エモい」という言葉の効果は本当にそういったネガティブな側面のみにとどまるのでしょうか。
最後に、「エモい」という言葉が生んだポジティブな効果について考えてみます。

「エモい」という価値の誕生

「なんとも言えない感情が動かされる現象」というこれまで形容詞で表現できなかったものに対して、「エモい」という概念があてがわれたことによって、今まで価値を表現しえなかったものにたいして、新しい価値が付与されるようになりました。
「かわいい」「お洒落」「流行っている」「あのモデルが勧めている」といった従来の価値基準や概念からは疎外され、切り捨てられていたものも、「エモい」という言葉が生まれたことで価値をもつようになりました。
そうした側面は「エモい」という単語の見逃せないポジティブな一面であると思います。
例えばそれは寂れた街角であったり、新しいジャンルの音楽であったり…エモいという言葉が生まれたことで、価値を見出されたものははかりしれません。
 
 
たしかに、「従来の概念では説明のつかなかった感情の動き」を「エモい」という一言で表すことが可能になった今、言葉にならない概念を表現する言語的表現力が奪われてしまうというデメリットもあると思います。
しかし、「エモい」という言葉には、新しい価値観を現代に生み出したという点で、ポジティブな側面も大いにあるのではないでしょうか。

「エモい」という文化

エモいという言葉のポジティブな側面、それは、従来名前の付けられなかった様々な心動かされるものに、「エモい」という新たな価値が付与されたことだと筆者は考えます。
今までひょっとしたら無価値化されていたもの、従来の概念では「価値」を有していなかったものに「エモい」というわかりやすい価値が付与された。そして、それをきっかけに新たな「エモい」というカルチャーが注目されるようになった。
そのこと自体が、「エモい」という単語の功績なのではないでしょうか。

多様化する価値観と「エモい」

「エモい」という単語は間口が広い…。
そのことも「エモい」という単語の良い点かもしれません。
「エモい」という単語には、多様な価値観が含まれます
本の内容もライブも映画も、鮮やかにグラデーションを描いた夕暮れの空も道端に落ちている石ころも、個々人の主観が揺り動かされたものはみんな「エモい」といわれます。
エモいという単語は、それ自体として定義することができませんが、この「定義できない」というのは重要なポイントです。
そうである以上、「これはエモくない」といった批判が通用しないのです。
個々人の自由な価値観によって「エモ」は定義され使用され続けます。このことは、多様な価値観の発生にも関係していないでしょうか。
 
「エモい」という単語がメジャーになることで、多様な価値観や、様々な「従来の概念では説明不可能だった価値」が見直され、新たな価値となります。
このことは、「感性の停滞」どころか価値観の拡大として、ポジティブに作用しているのではないでしょうか。
このように、若者の感性はむしろ、「エモい」という単語で広げられていると考えることもできます。
そう、それはまるで、かつて古文の世界にあった「もののあはれ」の再発見であるかのように…。

あらゆる感情表現に使う「新しい日本語」

いかがでしたか?
幅広い意味の広がりのある現代語「エモい」。

明確な定義や活用法の存在しない面白い言葉でした。

新しい感情表現である「エモい」という言葉が今後どのように広がっていくのかも気になりますね。

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